理文シフト理論と理文比率理論―――全体論


前書き 理系文系視点の有用性

理文シフト理論とは、『各市場において、何がどれくらい高い競争力となるかは、原則的には一定の法則にて遷移し、
競争力となるものは理系・文系・両者の中間という視点で考えることが出来る』という理論。

この理論はかなり複雑だが(そのため、全体論だけで1万字位)、
各市場の競争力事情の遷移の予測や、人材戦略・進出市場策定・就活候補策定等に活かせる。

理文比率理論は、上記と同様の分類を利用して様々な考察をするもので、例えば、
自社が得意そうな市場・顧客層の判断や、各種類の人材の量の策定や、就職活動時の候補検討等。

で、理系文系視点での理論を書いた理由は、企業の人事戦略や就職先策定においては、その視点が有用だからだ。
例えば、『高度なプログラムロジックを作るための理系能力が有る人材は、 その理系能力を生かして
顧客情報の統計解析にも対応できるだろう』という感じに、同じ分類の職への融通が利きやすい。
逆も然りで、理系偏重な人材は、たとえ同じ市場に対する職でも、営業やサポート業務のような文系能力メイン業務は向かない。
こういう感じに、人材全般においては、理系・文系・中間型での分類毎で融通が利きやすいため、その視点での判断は有用。

各々の職種がどれくらい必要になるかの先読みが困難な状況においても、
その分類での適正な人材比率を把握することが出来るのならば、その比率の通りに雇うことで対処出来る。

就職者の例は、文系偏重な者が求職する場合、彼は営業・サポート等の文系業務の需要が継続的に多そうな企業を狙えば良い。
たとえ営業・サポート・他の文系職各種間の異動が多そうでも、彼的には痛手にならない。


理文シフトを文章だけで説明しても全く理解されないだろうから、とりあえず図だけ見せる。

下図の灰色以外の矢印は、矢印の先に有る要因の競争力の増加。
例えば、赤矢印は『新規市場の発生に伴い、基幹技術力に大きな競争力が発生し、他要因は少しだけ』
※各々の矢印の影響が続く期間は、大抵は1〜3年。


具体例について

全体論と具体例を混ぜて書いてみたら難しくなり過ぎたので【具体例は別記事にした】、適当なタイミングで読んで。 
具体例を十分に増やそうとしたら、いつまで経っても出稿できないままになったので、多少だけにしておいた。


各競争力要因の分類について:

競争力に関わる様々な要因は理系・文系・中間の3種に分けるわけだが、以下のような定義・名前にする。
名前 説明 ◇SNSの例 ◇薬の例
基幹技術力
(理系偏重)
◇各技術の基幹部分(=枝葉の機能や、顧客事情による調整ではない)
◇開発や技術的発明や環境構築手法革新やような理系能力に偏る。
◇フレームワークの構築・スペックやコスト効率に関する技術革新。
◇新薬に必要な素材精製技術や製造技術
社会科学力
(理文中間)
◇心理・社会・行動・文化等の社会科学的な考察による改善。
◇商品や顧客の分類の再編成も、これに含まれる。
人や社会に関する把握や調整のための文系能力と、数理や論理的考察や設計のための理系能力がバランス良く必要。
※対外業務の一部はこちらに含まれる(例:顧客分類再編)
◇レイアウト・操作性・コミュニティの各機能を利用者の実情に合わせる。
◇形状、効果と副作用のバランス、即効性と持続性のバランスの調整、顧客層を的確に分類したうえでの商品再編
対外業務力
(文系偏重)
営業・広報・トラブル対応・誘致等の、外部者を惹き付け続けるための業務。
※販売システム刷新のような対外的な革新は含まない。
◇投稿の排除基準の的確化、安心対策のアピール、優良コンテンツ主誘致。
◇的を得た広告手段・内容。営業能力改善。

この分類は当記事全般で使い、要因と総称する。


影響比率(理文市場影響比率)の説明

これを先に理解しないと他の事は理解しにくいため、先に書く。

当記事では、各市場毎の各要因の競争力への影響しやすさは比率で表現し、理文市場影響比率と名付け、略称は『影響比率』。
まずは図。

◇各要因に対するコスト効率は、上の図のように投資量が増えるほど逓減し、影響比率が高いほど逓減しにくい。
 ・例えば、左図の社会科学力は対外業務の1.5倍であるため、 とある投資量での対外業務力のコスト効率は、
    その1.5倍での投資量での社会科学力のコスト効率と同じ。
 ・計算式は 0.9 ^ ( 投資量 / その要因の市場比率 )で、0.9という定数は、グラフをどれ位細かく描くか次第で調整。

◇影響比率は別の言い方をすると『各要因毎の投資候補の豊富さ』とも言える。
  豊富なほど、コスト効率の良い選択肢が尽きにくいため、コスト効率が減りにくい。

◇各要因にどれくらいの比率で投資配分すると最大効率になるかは、市場比率と同じ。
  下の図において、投資量の合計を10とした場合、各要因への配分量を5・3・2にすると、2.777+1.548+0.939=5.264、これが最大。

◇定義を書くと『特定の時期における各競争力要因毎の、投資量増加による効率の逓減しにくさの、比率での表現』
 ※定義は使う機会が無いため無視。

◇逓減する前提でのモデルだが、現実ではきれいに逓減することは無い。  
 ・現実的には、各要因の様々な革新候補を効率順に並べた場合、きれいに逓減するわけでもなく、多少はジグザグする。
   例えば、殆ど同じ効率の候補が3つ有ったら、グラフの一定区間は殆ど平行線になる。
 ・現実での殆どの投資においては、一定規模以上投資しないと効果が期待できない都合上、
  その規模に満たない半端な投資量は原則行わないため、現実的には線が途切れる箇所や点が散在する箇所が有る。
 


■理文比率理論の概要

以下例のように、企業戦略や就職戦略は各要因の比率にて考えることが出来るという理論。

名前 定義 用途例
細分化理文比率
(略称:細分市場比)
特定の市場を顧客層等で細分したうえで、各細分毎の影響比率を出す。 漠然と全顧客層を狙っても勝ててない企業が、自社にとって得意な顧客層を探るのに用いる。
理文市場比率範囲
(略称:市場範囲)
◇特定の市場の一定期間内における、各要因毎の競争力の上限範囲。
◇書き方の例:基幹技術:社会科学力:対外業務力 = 30〜60%:30〜60%:10〜40% 
人事において、各市場毎の理系・文系・中間型人材の数の策定や、適正な正規・非正規の比率を考える。
理文企業比率範囲
(略称:企業範囲)
◇上記の市場範囲の企業全体版。 就活生が、自分が活躍しやすい企業か見定める。
多様な市場に進出している企業の、各要因毎の正規社員の数の策定。
理文〇○戦略 何かしらの経営戦略(人材、製品開発、営業等)を他の事情に合わせること。○○は他に合わせるものを指す。 進出予定先の市場に合わせた人材戦略の策定。
開発すべき製品の判断を、現状の人材の理文比率に合わせる。

 


理文シフト 図と一覧

ここから理文シフトの詳細を書くが、まずは図と一覧をば。

 

分類名・図の色 概要と状況(全体論) 説明
【事情】  理文シフトに影響し得る様々な事情 需要や外部組織の技術等の外部依存のものが多い。
【創出】  市場化のための前提条件を満たすことにより、その市場が発生し、理文シフトの流れも発生すること。 この時点においては、基幹技術力による魅力は他要因に比べて圧倒的なため、基幹技術力の影響比率が高い。※少なくても50%。
【進行】  創出の後、継続的に発生し続ける変化。
【回帰】や【対応】が全然発生しない状況が続く場合、この流れのままに遷移する。
半ば2段階に分かれ、1段階目は『基幹技術力の影響比率が減っていき、主に社会科学のが増えていく段階』。その次に『社会科学の影響比率も減り、対外経営のが増えていく段階』
【回帰】  既にある程度以上【進行】している市場において、競争力のある基幹技術候補が発生した場合の変化。 その基幹技術の凄さ次第だが、多かれ少なかれ【創出】が発生した時点に戻される。
【対応】  社会事情の変化により、社会科学的な対応の必要性が発生した場合。 主な影響は、社会科学的な対応の余地増大による、社会科学の影響比率の増加。
対外業務のも少しだけ増加する。

以下、それぞれの詳細


■【事情】(図の上の方の灰色の部分)

理文シフトは、新規市場の発生(図の【創出】)によって発生するわけだが、それは無条件に発生させられるものではなく、
需要が足りる・粗利がプラスになる等の前提条件が必要であるし、その条件を満たすような技術革新や社会変動も必要である。

前提条件の分類例は以下。 ※この分類方法は市場戦略用ので、政治や経営改革においては別。

分類名 前提条件の例 補足
実行妥当性 (採算はさておき)市場化の試みを実行するために必要な条件が揃うこと。
例えば、主要な部品や素材だけでなく、大量生産技術、廃止に追い込まれないだけの安全性、法規制事情等。
多くの場合、自社だけでは十分な早さで全て満たせず、外部依存となる。
粗利妥当性 粗利をプラスに出来ること。
主な原因は、製造コスト・販売可能価格。
販売可能価格は顧客候補の出費意欲のため外部依存。
製造コストも、そのための技術は外部からも供給される。
需要妥当性 採算が合うだけの需要が有ること。
以下のも影響する。
・固定費(高いほど多くの需要が要る)
・初期費用および利子、高いほど、利払いのために需要が要る。
・粗利(高いほど少ない需要で採算が合う)
多くは外部依存(需要量、利子、固定費の一部)
優先妥当性 (たとえ上記全てを満たしても)その企業における投資候補全体での優先順に沿わなければならない。
明らかに優先度が高いものを差し置いて投資するのは、投資効率の悪化による衰退を意味する。
以下のように、その投資候補以外の物事に左右されやすい。
◇その革新候補に投資すべきかの判定は、自身の価値だけでなく、他の投資候補の優秀さが関わる。
◇投資可能量(景気や金融緩和により変化)→それが多いほど、多くの対象に投資可能なため、自身にまで投資順が回りやすくなる。逆も然り。

【具体例集に、前提条件の例有り】

◇前提条件の多くは外部依存で、自力だけで市場化成功できるわけでもない。
  そのため、一部の政治・経営論のように、無条件に『変化する者こそが生き残る者だ』と考えたところで成功するわけではない。

  特に有りがちな詭弁は、主に【実行妥当性】だけで煽り、他の条件のうちの都合悪いものを言わないことによって嘘を付くもの。
   都合悪いものの例は『大衆が顧客になってくれる・出費してくれるかどうかの現実的判断』とか、
  『大衆が、昔から有る類似目的商品から移行しれくれるかの現実的判断』とか。

◇前提条件が満たされるかどうかは、技術進歩や社会事情次第だが、それは企業視点では以下のように分類できる。
   まず、基幹技術と社会事情の2つで分類し、基幹技術は以下の2つに分類。
    ・自社やグループ会社のような『能動的に活動させれらる組織』によって満たせる技術。
    ・赤の他人の企業や研究機関のような『その組織による進歩を受動的に待つかないもの』。
  そのため、図のような3種の分類となる。


前提条件を満たす時期と、基幹技術力の競争力が急増する時期は別物。

  主な事情は、基幹技術の開発開始から完成までのタイムラグ。
  数年以上かかる場合、前提条件が揃う頃から開発開始していたら数年以上遅れてしまう。
  それは裏を返せば、数年前から基幹技術に投資をすると、ちょうど前提条件が揃う頃に完成し、多大な競争力となる。
  つまり、基幹技術の競争力が増加する時期は、そういう時期だという事。

   それと、状況によっては他の物事も絡み、それは『皆を説得出来る情報の確保』。
   それが無いことには、仮に経営者が重要性を余地して投資し始めようとしても、
  銀行や取引先からの信用低下・社員の反感等によるマイナスの方が大きい。
   そのため、『皆を説得出来る情報の確保』を満たす時期以降であることも条件となる。
  例えばコロナヒステリーによって需要が激増する商品の場合、そのヒステリーを論証できる時期(2020年3月以降)までは
  皆を説得できないため、いくら上記のタイムラグが長い投資候補であっても、その時期にならないと投資に踏み切れない。


■【創出】(図の中央の赤色)

◇いずれかの企業が市場化に成功してからしばらくの間は、影響比率は基幹技術に偏ったものとなる。
  主な事情は、この時点ではライバルの代替製品が旧式のため、最新の基幹技術によって大差を出しやすく、
   社会科学・対外経営が劣勢でも基幹技術で凌ぐのが容易なこと。

◇具体的な値を言うなら、基幹技術は平均60%。(社会科学と対外経営は同じ位)
  既存の類似目的商品に対する優勢さ次第で差が出て、優勢さが低いほど、基幹技術によってシェアを奪う力が弱い分、低くなる。
  特に優勢なら80%、特に低い場合40%。

◇この時期が終わっていく要因は、ライバルも同じ目的の商品を市場化成功させ、新式が飽和すること。
  ※たとえライバルが新式を出しても、飽和するまでは、基幹技術によってどんどんシェアを取れる。

◇殆どの場合、基幹技術の影響比率の高さは極端にはならないため、基幹技術以外の大きな劣勢は、基幹技術の小差では凌げない。
 ・ いくら最新技術製品でも、操作性悪すぎ・機能が気が利かなさ過ぎだと、大衆は旧式の方が総合的に良いと思う。
 ・ いくら魅力的に思われるべき商品でも、宣伝が下手過ぎたり、トラブルが話題になったり、その企業のイメージが悪い等、
   対外業務的問題が大きければ、大衆は旧式の方を魅力的に思う。


■【進行】(図の右下当たりの緑色)

【創出】が発生した後は、原則的には、基幹技術の影響比率が段々と社会科学・対外経営に移っていき、
その流れは半ば2段階に分かれる。(明確に2段階に分かれない)

まずは1段階目の説明をば。


1段階目は、図で言うなら『基幹技術から直接伸びている緑矢印』で、先に要点を言うと、
『基幹技術候補の競争力の減衰』と『社会科学的な向上の余地発生』によって段々と基幹技術力の影響比率は減っていくとともに、
主に社会科学力の影響比率が増し、対外経営のも少しだけ増すもの。

◇『基幹技術候補の競争力の減衰』について:
どのような基幹技術であれ、そのうちライバルが同目的の技術を実現することにより、
その技術ではライバルとの差を出せても少しだけになり、 代わりに他の基幹技術で差を付けることになるものの、
前回よりも競争力の低い候補しか残っていない。
そのため、基幹技術の競争力は段々と下がり、その分相対的に他の競争力が上がるわけで、影響比率も相応に遷移していく。
そして、そのような流れを繰り返していくにつれて、基幹技術の影響比率がどんどん他に移っていく。

◇『社会科学的な向上の余地発生』について:
何らかの革新的商品を利用者が使い続けていくうちに、その商品に対する様々な要望が発生していく。
言い換えば、その要望に対応するための社会科学的向上の余地が発生する、つまり、社会科学力の競争力が増していく。

◇対外業務の影響比率について:
上記の社会学的向上を達成にするに伴い、それを広告や宣伝等に反映させる価値が生じるため、そういう点で対外業務の価値が増す。
ただし、所詮は社会科学的向上に沿う目的だけのため、影響比率の向上量は社会科学のよりずっと少ない。


次に、2段階目、図で言うなら『社会科学から対外業務への矢印』の説明をば。

◇社会科学においても、ライバルが同じ目的の機能を実現することにより、
その機能ではライバルとの差を出せても少しだけになり、 代わりに他の機能候補で差を付けることになるものの、
前回よりも競争力の低い候補しか残っていない。
そのため、社会科学の競争力も減っていき、また、基幹技術は既に下がり切っているため、消去法的に対外業務のが高くなる。

◇対外業務力の競争力は、他要因とは違い、時間が経ってもほとんど落ちず、その事情は、
対外業務への投資は使い切りのものではなく
(技術革新や社会科学的改善の場合、開発から完成まで至ってしまったら、その候補はもう終わり)
維持し続けるべきものであること。(対外業務の場合、レベルを維持するために継続投資しなければならない)

◇この段階は前述の『基幹技術から直接伸びてる緑矢印』から一足遅れで発生し始める。
 ※その事情は、社会科学の投資候補が減衰していく時期から発生し始めること。
 それと、前述のと同時進行する時期が多くなるため、この2つの段階は明確には分かれない。

◇尚、対外業務が圧倒的な影響比率になる場合は稀。
  理由は、どのような市場分野でも、大抵の時期は、少しは魅力的な基幹技術候補が発生し続けたり、
  少しくらいは社会変動の影響を受け続るため、それによって基幹技術・社会科学の影響比率の再拡大が少しは発生し続けるため。


■社会事情変化対応(図の右の紫色の矢印)

社会変動次第では、社会科学力の影響力比が増す場合が有る。
以下、主な例:

◇『新たな顧客層の発生』
  例えば、プリクラ等に代表される『女性の自己実現目的用撮影』は、(デジタル撮影のため)デジカメの基幹技術がベースだが、
   画像補正は顔中心で、センスは彼女ら基準のため、それを把握して補正技術に反映させれば大きな競争力となる、つまり、
   そのための社会科学的対応の価値により、社会科学の影響比率が増す。

◇『既存顧客の事情の変化』
  ・SNSは、社会情勢次第では、その対策用の機能が求められ、例えば危機意識が煽られると危機対策機能の価値が増し、
    『MIXI疲れ』のような交流の心的負担が問題視されると『いいね』のような軽減化機能の価値が増す、等々。
  ・対戦スポーツ(テニス等)は戦術流行が変われば、道具に求められる癖も変わるため、
    それを把握して製品仕様に反映させるような社会科学的改善の価値が発生する。

◇『新規市場での顧客層の変化』
   市場全般においては、草創期の主な顧客は先進的な人だが、そのうち彼らは十分な量を買って消費が減り、
  その頃には追随層の需要が増すため、彼らの違いを把握して仕様に反映させる価値が発生する。


■社会事情の基幹技術への影響(図の右上の『社会事情変化』から左への矢印)

社会変動は、場合によっては、何かしらの基幹技術の費用対効果を変化させ、それによってその基幹技術が前提条件を満たし、
【回帰】や【創出】にまで至ることが有る。

例えば、一昔前に、若い女性がこぞって携帯カメラで写真を撮りたがるようになり、質や補正にまで拘るようになった時期においては、
その需要に対応するための基幹技術の投資価値が増し、採算に合うようになり、前提条件を満たすようになる。
そして、その革新技術により、図の【回帰】(青色の矢印)が発生し、基幹技術の影響比率が向上する。


■補足:対外業務には失態によるマイナスも有り、その影響比率はマイナス100%

不祥事や事故の報道等により、とある商品のイメージ全般が悪くなった場合、
その製品の全ての要素(機能・スペック等)の魅力は、その悪評によって定率で割り引かれることとなる。
そのため、この場合の影響力比は−100%と言うべき。


理文比率理論について

理文シフトと同じ分類(基幹技術・社会科学・対外業務)にて様々な物事を考えるもので、現時点で有用だと思われるのは以下。
まずは一覧。

名前 定義 用途例
○○別細分理文影響比率
(略称:○○細分比率)
市場全体ではなく、顧客層・年齢・地点等に細分した単位毎の影響比率。 漠然と全顧客層を狙っても勝ててない企業が、自社にとって得意な顧客層を探るのに用いる。
理文○○比率
(略称:○○比率)
前述の影響比率のように、何かしらの事象を理文比率視点で考えるもの。
例:理文人件費比率・理文投資比率
進出候補市場の市場比率と、他の○○比率を比較し、企業戦略を修正する。
理文〇○戦略 何かしらの経営戦略(人材、製品開発、開発等)を、他の事情に合わせる企業戦略。○○には他に合わせるものを書く。 ・人材戦略を、長期的な進出予定先に合わせて調整する。
・自社の人材が得意そうな市場を把握し、重点的に開発する。
市場別影響力範囲
・企業別〃
特定の市場にて、一定期間内に理文比率が遷移する範囲の予測。
企業別〃の場合は、特定企業の進出市場全体となる。
就活生が、自分が活躍しやすい企業か見定める。
企業が、各要因向けの人材において、正規・非正規従業員の数を検討


細分化理文市場影響比率の用途

◇最も使われそうな例は、とある市場全般を漠然と狙ってもライバルに勝ちにくい場合に、自社が得意そうな客層を詮索すること。
   多くの市場においては、その中の顧客層毎に影響比率が異なる。
 例:
  ・一概に女性と言えども、スペックを吟味する能力(基幹技術力)や、イメージへの釣られやすさ(対外経営)や、
   自己実現欲(社会科学)において個人差が大きいため、各々の女性層毎の影響比率の差は小さくはない。
  ・技術サービス全般において、大量長期間に利用する顧客は、自身でやり繰りする能力が高いため社会科学力の必要性が低く、
   また、きちんと稟議をするために対外経営で釣りにくい、そうなると消去法的に基幹技術の影響力比が高くなる。
   逆に、個人や中小企業には、こういう傾向の逆。
 等々。
  そのため、自社の能力比率に近い顧客層に注力することにより、その顧客層にてシェアを奪うという方法がある。

◇地点での細分も有用
 ・地域ではなく地点の理由は、差異が明確に大きく出やすいこと。
   地域の場合、田舎や都会によって多少の差異はあるだろうが、大抵は一通りの顧客層が大差無く分布するため、
    それの研究のために人件費を費やす価値は出にくい。
  逆に、地点の場合、その付近にある施設によって差が大きく出やすく、例えば若めの女性の場合、
   ブランドショップの多い地点ならイメージに釣られやすい女性とか(対外経営の影響力比が高め)、
   賢い女性が多い地点の場合はスペックをきちんと調べやれやすい(基幹技術力の影響費が少し高め)等。


■他の理文○○比率の用例

現状思いつく用途例は、『進出を検討している市場の影響比率』と『投入可能な従業員の能力比率』を比較し、企業戦略を検証すること。

例えば、各企業独自の事務特化システムに進出する場合、そういう市場は対象企業独自の事情の把握・反映や、
利用者の操作感覚や判断手順の把握・反映ような社会科学力の影響比率が高い。
それに対し、仮に投入しようとしている人材が理系偏重では、的を得た提案が出来ず、ライバルに負けやすい。

他の例だと、『革新期のデータ解析分野』に理文中間型人材中心で進出しても、その時期においては
『理系能力に物言わせて生み出すスペックや高機能処理の魅力』の影響比率が高いため、理系偏重なライバルに負けやすい。

このように、 進出候補市場の影響比率と、人材比率が整合しなければ、それが原因で失敗しやすいため、それの検証に使う。


■理文○○戦略の詳細

※前項の『他の理文○○比率の用途』の内容を流用する。

◇【理文人材戦略】
  例えば、各企業独自の事務特化システムの例の場合、人材を調整するか、進出先を他の市場に変えるかとなり、
  人材を調整する場合は、提案営業勢を増やすと共に、基幹技術しか対応できない人は異動やリストラとなる。

◇【理文製品戦略】
  開発する製品の選考において、自社の理文市場に合わせる。
  例えば、IT系で、自社人材が理系偏重なら、ストレージサービスのような『社会科学的対応の余地が少なく、
    基幹技術力で物言わせやすい商品』。
  例えば、製薬系で、自社の技術力は低いが対外業務力が高い場合、広告や販売促進会に釣られやすい高齢者向けのサプリ。

◇【理文営業戦略】
 予め前述の細分化理文市場影響比率を策定したうえで、得意そうな顧客層に営業を重点にする。


市場別影響力範囲の、就活生の考え方の例

就活生が正社員候補を考える際、対象先企業の長期的な(40年位)影響力範囲を予測し、参考にすべき。

例えば、候補の企業において、基幹技術:社会科学力:対外業務力 = 30〜60%:30〜60%:10〜40% とする。
この場合、対外業務力は低いと10%のため、低い時期には対外営業だけの人は不遇かリストラとなり、そういう人は不向き。
他の2つも、低い時は半減する都合上、低い時期には比較劣位なメンバーは不要となるため、
『低い時期でも残れる比較優位性』か『低い時期には他に移れる多能さ』のどちらかが無ければ、その会社には向かない。

・様々な癖の市場を持つ企業ほど、大数の法則により『その企業全体での理文比率範囲の高低差』が低くなるため、
 (様々な市場に対応できる人ならば)自分の得意な職種を選り好み続けやすくなる。
 その反面、様々な市場向けの部署に異動されやすくなるので、特定の市場向けの仕事だけしたい人には向かない。

・理系文系ともに器用貧乏な人にとっては、理文範囲の上下差がやや高めの方が有利。
  上下差が低いほど、社員の配置転換の必要性が薄くなるため、特定職種だけ得意な人ほど有利になる。逆も然り。


市場別影響力範囲の、企業の考え方の例

例えば、とある市場において、基幹技術:社会科学力:対外業務力 = 40〜60%:30〜50%:10〜40% とする。
この場合、対外業務は低いと10%だけのため、『その市場専門の対外業務人員を採用してしまうと遣り繰りに困る』と判断できる。

それと、高い時期は低い時期の4倍になるため(40%)、対外業務人員を柔軟に増員できるようにする準備をしておくべき。
(例:他市場の部署の対外業務人員の異動、派遣活用のための教育策、社会科学業務と兼用の社員の確保)

この場合の基幹技術の底値は高い(40%)ため、この市場専門の基幹技術要員を多めに確保しても遣り繰りに困らない。
そのため、その市場向けの開発効率を良くするために、底値相応に専門家を雇えばいい。
 


壁|・A・) 後日、分かりにくい表現の修正するかも。骨格は変わらん。

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