すきやきっち的ゲームシステム理論。
■前書き。
今回ゲームを作ったが、その理由の1つは、既存のゲーム全般が叶えられていないものを体現すること。(他の理由は俺の人生観のため、ここでは書かない)
まず、以下の各要素。
・自由配置な陣形。
・多様な発動条件設定。
・要素の多さに依存しずに多様なスキル妨害を出す方法。
・自動進行する際のディスプレイ専有面積面での便利さ。
それと、各要素のシナジー効果が高いこと。
シナジー効果が高い
例を出すなら将棋、あれの要素は、今時のゲームに比べて極めて少なく単純だ。
例えば、コマの数、各コマの動き、「2歩」等の例外事項。
しかしながら、それらが関連し合うことによるゲーム性の増大、つまりシナジー効果が高いために、物凄く豊富なゲーム性を実現している。
それに比べて今時のゲームは、まるで要素の数の多さに物言わせるが如く、
装備の数やら属性やら妨害種類の数やらを増やしまくる。
そして、覚えることや管理することが膨大になり、記憶力負担や管理する手間の割のゲーム性が乏しいもを生み出す。
で、その分、画像技術やストーリや音声の量の多さで価値を増す。
そういう時流を否定すべく、実際に、少ない要素ながらもシナジー性を重視してゲーム性を増したものを作った。
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■陣形システム
RPG・シミュレーション・アクションゲーム等においては、キャラクターが陣形を組むことが有るが、その自由度は高くても幾つかの定型の選択肢から選ぶ程度だ。
決して自由に並べて被弾率等を調整出来るものではない。
その対処として、作者のゲームでは、縦3横5のマスに自由に並べて、前後位置や「同じ横位置の前方の味方の数」で左右するようにした。
更に人数も裁量で、何人が最適かは状況毎に変化するようにした。
この図を元に説明する。
◇後ろ配置の方法は2種類。
主な違いは、同じ横位置の前方が居るかだ。
「
後衛」は居ないパターンで、後ろに位置するもの。
「後方」は居るパターン。
例えば、図の「魔攻兼用1」「魔攻重火1」は後衛で、「早さ特化1」「魔攻回復1」は後方だ。「物攻速攻1」は中衛と言うべきか。
両者の違いは、各スキルの事情によって生み出している。
例えば、優秀な攻撃スキルは後方では使えないようにした、そのため後衛が撃つことになる。
被弾率においては、後方は多くの敵スキルの被弾率をゼロに出来るのに対し、後衛は殆どの場合少しは被弾率が有る。
これらの事情から、後衛は優秀な攻撃と引き換えに被弾率を抱えてしまう。
それと、後衛は置ける数が限られる、何せ、このゲームの配置枠の横幅は5個だけな上に、前衛が1〜2個埋めるので、その残りしか置けない。
また、後衛を置くと、その横位置には後方を置けなくなる。
※中衛にすれば1体だけ置ける。
※枠の縦幅を3個にした意図は、こういう事。
ついでに、 後方に被弾率が発生する例を挙げておく。
「敵全体」「同じ横位置の敵全体」「同じ縦位置の敵全体」「極一部のスキルでは、後方かの判定を無視する」。
◇ブロック数・ブロゼロという概念。
ブロック数とは、同じ横位置の前方に味方が居る数のこと。
図だと「早さ特化1」は1、「魔攻回復1」は2、他はゼロだ。
言い換えれば、ゼロでないのは後方、ゼロだが後ろに居るなら後衛。
ブロゼロは、ブロック数ゼロのキャラの略称で、これを言う機会が多くなるため、略称を用意した。
優秀なスキルはブロゼロの位置にいないと使えないようにした。
で、優秀なスキルで攻撃する役割のキャラは、攻撃力増やすために防御を割きたくなるので、後衛に置きたくなる、しかしながら後衛を置ける数は限られるため、相応に後衛は少数優遇となる。
回復スキルにはブロック数制限をなくした。
それにより、回復専門キャラは大抵の場合は防御を無しに出来、その分他の能力を増やせる。
それの伴い、ゲームバランス(回復の効果量)も、その前提にした。
その一方で、一部の敵は回復役にも攻撃できるため、そういう場合の対策もある程度は確保しないと、回復が足りなくなる。
◇標準的な被弾率法則
このゲームではのスキルの多くは、とある被弾率法則にしてある。
名付けて「ブロゼロ標準ウェイト」。
これは陣形システムとのシナジー性を高めるものだ、相応にゲーム性も増す。
まず第一に、被弾率発生対象をブロゼロに限定する、そのため後方の被弾率はゼロ。
次に、ランダムで攻撃対象を選ぶ方法は加重ランダムの一種で、「1つ前になるごとに2倍になるランダム」にする。
※これが「標準ウェイト」。
例えば、
2列目のキャラの確率は3列目の2倍、1列目のキャラの確率は3列目の4倍。
図の場合の各キャラの被弾率は、1列目の2名は各4/12(約33%)、2列目は2/12(約17%)、3列目は1/12(約8%)となる。
一見、たった2倍の差では大きくないと思えるかもしれないが、「運悪く敵の攻撃が度重なる確率」はその差の2乗位に出てくるため、その差は大きい。
◇ブロゼロ標準ウェイトの派生形の例。
◇ブロゼロ逆重ウェイト→1つ後ろになるほど2倍になるランダム、つまり、後衛ほど当たる確率が高い。
プレイヤーが使うとしたら、後衛を先に倒したい場合。
敵が使う場合に対処するのは、その事だけ考えるのなら前後位置を逆にすればいいのだが、他の敵スキル対策も兼ねなければならないため、行いにくい。
◇純粋なランダム。
どの位置だろうが同じ確率。陣形で対処出来ないため防御力で対処するしかない。
少数の敵に使わせることにより、対策パターンを増やす。
プレイヤーとしては敵を倒す順番を制御できないため使いたくないが、「ブロック数2の位置」から打てる魔法攻撃はこれに限定しているため(雷魔法)、状況次第で使うことになる。
◇縦・横貫通系ランダムの被弾率。
縦貫通(同じ横位置全体)を例に説明する。
まず最初に、純粋なランダムで1体選び、それと同じ横位置全体を対象とする。
その都合上、同じ横位置に多くの味方がいる味方ほど、被弾率が大きい。
図の左端の3人は、3/7(約43%)の確率で、他は約14%。
言い換えれば、多くの場合、左端3名が一斉に食らってしまう。
尚、特定の横位置に味方数が偏ると、攻撃食らう数の期待値が上がるため、出来るだけ均等にすべき(計算はややこしいので省略)。
横貫通の場合だが、多くは上記と似ているので省略するが、各横位置を出来るだけ均等にするために中衛を増やさなければならない。
で、中衛を増やすとなると、防御力の再調整が必要になる。
これらの事情により、陣形や防御力の遣り繰りのパターンが増え、ユーザーに対して遣り繰りの楽しみを増やす。
◇他の遣り繰り具体例
図では前衛を2名おいているが、それにより、1名の時よりも後衛の被弾率が下がる。
※上の図から前衛を1人だけにした場合の後衛の被弾率は12.5%、図では8%。
※更に、前述の通り、連続して受ける確率は大体2乗になるため、尚更になる。
◇最適な人数について。
状況毎に最適な人数が違うのを説明するために、例を出していく。
先に補足、人数が減るほど一人当たりの経験値や装備費用が増えるため、キャラの強さは増す、ただし、攻撃力の総量は減る、
逆に、人数が多いほど範囲攻撃や「一体ずつ集中狙い」に弱くなるが、攻撃力の総量は増える。
例えば、縦貫通攻撃(同じ横位置のキャラ全体攻撃)が得意な敵がいたとする。
この場合、味方キャラを5人にして全員の横位置を別々にすれば、必ず1体しか食らわない。
それと、「最も多く当たる横位置」に当たる場合、全ての横位置が同じ場合は最も左に当たるようにしたため、そこに防御力が高いのを置けばいい。
横貫通攻撃対策は、6人にして各縦位置2人ずつにすると、一通りの役割を揃えつつ被弾を少なめにできる。
敵が防御重視のタイプの場合、とにかく火力の総量が必要なため、キャラが多い方が良い。
それと、10人にした場合、どの横位置も2名に出来、回復役の頭数も確保できるため、縦貫通攻撃にやや強い。
キリが無いので、この辺で。
■スキル発動条件
他のゲームにおいて、自動戦闘時のスキルを発動する条件はパラメーター調整出来る場合が有るが、自由度が小さいと言うか、例えば、入力項目が「対象の敵数」「対象の生命力」に限定される等、入力項目の種類は限られている。
それに対し、作者のゲームでは入力項目は「条件A」「条件B」のように意味不定にし、各スキルの事情により「条件Aは物理攻撃力」「条件Aは最前列の敵の数」等、多数の種類に切替るようにし、種類を豊富にした。
例を一通り並べる方が分かりやすそうなので、以下に例を並べる。
以下の各説明は、スキルの詳細表示部分に表示される。
尚、以下のA・Bは、ユーザーが値を調整する。Vitは生命力。
◇回復系
・生命力A%未満の味方が居る。
・生命力A%未満の味方がB以上。
◇範囲攻撃系
・敵数A以上。
・最前列の敵の数A以上。
・ブロゼロの敵の数A以上。
・最も多く当たる垂直ラインにA以上。
・最も多く当たる水平ラインにA以上。
・妨害0の敵の数A以上。
・ブロゼロのみ。妨害0の敵の数A以上。
◇狙い撃ち系
・ブロゼロのみ。最も低い生命力A%未満。
・ブロゼロのみ。[ 物防 / 総合戦力 ] の最低値がA%未満。
・ブロゼロのみ。[ 物攻 / 総合戦力
] の最高値がA%以上。
◇ユーザーの調整余地が無い物。
・ターン数が3の倍数+1(1・4・7………)。
・攻撃者の生命力25%未満。
・各行動時に、行動とは別で実行。
尚、ゲームの規模や開発工数の都合上、これ以上増やせなかったが、想像上では遥かに多く有る。
それと、「条件無し」も条件だが、妨害耐性の高いスキルは殆どこれにした(稀に有る低威力)、そのため、高く妨害された状況では、スキル発動条件の調整や攻撃対象の選別は原則不可。
■妨害システム
敵の行動を妨害する手法において、要素の割に豊富なゲーム性を出せるようにした。
逆の例を言うと、ドラゴンクエストでは、魔法を封じるのはマホトーン、眠るのはラリホー等、何かと種類が増える。
さらに、敵の耐性の種類も多数というか、魔封じ・眠り・麻痺等、各々の種類ごとに耐性が有る。
そのため、仕様を覚える面倒さは高いし、要領良く揃えるための調査や管理も面倒だし、進軍箇所が変わるたびに敵の妨害スキルや耐性を調べる面倒さが多い。
他のゲームも似たものだ。
それに対し、作者のゲームでは、付与度・耐性・現状毎に各1つの要素だけ、それに素早さが絡むことだけ。
まず、各スキルに「妨害付与度」が有り、食らった側は同じターンの間の妨害状況が「妨害付与度」にまで上がる。
そして、各スキルには「妨害耐性」が有り、妨害状況が妨害耐性を超えると使えない。
※妨害状況は各ターンの開始時にリセットする。
※妨害状況未満の妨害付与を食らった場合に下がることはない。
この結果、以下となる。
敵より先攻撃し、多少でも妨害付与をすると、敵の行動順が来た際、その妨害状況以下の耐性のスキルを阻止出来る。
それと、優秀なスキルほど妨害に弱くしてあるため、優秀な敵スキルほど妨害付与が重要になるし、味方の場合は優秀なスキルほど妨害対策が重要になる。
◇妨害の遣り繰りの例。
上記のように当ゲームの妨害システムの要素は少ないが、それでも以下例のように豊富なゲーム性が出る。
尚、以下は主要なものだけだ、キリが無いから省略する。
・対策したい敵スキルを超える妨害付与を与えるか、困難なら諦めるかはっきりすべき。
何せ、妨害耐性を超えない妨害付与を行ったところで、どのみち妨害できないので。
・各スキルの妨害付与・耐性を工夫してあり、特に優秀なスキルの殆どは範囲妨害攻撃で一斉妨害可能にしてある。
※優秀なスキルの殆どは妨害耐性ゼロ。
※プレイヤーが使える一斉妨害攻撃は、妨害付与1のみで、2以上は単体にしか出来ない。
逆に、やや優秀という程度のスキルの殆どは妨害耐性1以上で、そのため、殆どは一斉妨害不可。
その違いにより、一斉妨害を狙うか、一体だけで我慢するかの見極めが出てくる。
・敵の素早さは凄く差が有るため、それにより妨害容易度が凄く異なる。
それと、素早い敵ほど相応に攻撃力が低いため、敢えて我慢する選択肢が出てくる。
・敵の妨害に大して、どのような方法で対抗するかの選別が必要、以下例。
・妨害攻撃の多くはブロゼロにしか被弾しないため、後方から攻撃する。
・高確率で敵より先に攻撃する(素早さを敵の数割増し以上にする)。
・敵からの妨害付与度以上の耐性のスキルを主軸にする。
・敵の妨害攻撃を高確率で妨害する。
・必要以上に妨害しないことも重要になる。
妨害効果のあるスキルは、相応に威力・燃費・妨害耐性を低くしてある。
そのため妨害するほどダメージ効率は下がり、無駄に行うと攻略しにくくなる。
例、「戦う相手は防御重視」&「回復役を持て余している」という場合、ダメージ量稼ぎが重要で、その反面、妨害による被ダメージ軽減は不要。
・後方を妨害する敵も居て、その場合は回復役も妨害されるため、その対策も必要。
※回復スキルの妨害耐性は弱くしているため、妨害される場合は、回復役の数を増やしたり、素早いのを用意しなければならない。
■自動進行時のディルプレイ占有
まずはサンプル。
縮小のため粗いので、実物見たければ体験版を使って。
自動進行する場合、ディスプレイ専有面積次第で便利さの差が出る。
要するに、大きさや縦横比が可変な方が便利という事。
経緯は以下:
自動進行により、判断力や手の動きの余剰が多く発生しする。
→他事に判断力や手の動きを割いてないと、暇を持て余して苦痛。
→他事やりながら自動進行する。
→相応に他事にディスプレイ面積を割きつつ自動進行ゲームにも割く。
→自動進行ゲームの面積は、融通聞いた方が便利になる。
このゲームでは、以下の縦・横のサイズのを用意した。
標準(1002×732)、縦長縮小(402×732)、極細縮小(202×732)、当率縮小(602×472)。
■シナジー効果。
今までに挙げていった各要素は、大規模なゲームに比べたら遥かに少ないだろうが、それでも互いにシナジーを生み出すようにしてある。
正直なところ、文章では説明しにくいが、一応書く。分かりにくいなら体験版やって。
陣形システムはとの被弾率法則とのシナジー性。
被弾率対策のための陣形遣り繰りと、防御や妨害対策との兼ね合い。
スキルの半分位を「ブロゼロ標準ウェイト」にしつつ、他各種を少しずつ揃えることにより、陣形策定の際はブロゼロ標準ウェイト対策をメインにしつつも、敵状況に合わせて再調整することになる。
例えば、縦貫通スキルに対策するためには、同じ横位置に複数味方が居ないようにしなければならない、そのため後方(=同じ横位置に前衛が居る)を後衛(=〃居ない)に回す。
特に、敵のスキルが妨害を伴う場合、回復役をそうした方が良い。
しかしながら、それに伴い他の対策が必要になる場合が有る、例を2つをば。
【1】防御強化が必要な場合が有る、敵の縦貫通スキルが物攻で、敵の他のスキルで魔攻のが有る場合、後方→後衛にするこよにより、魔防も確保しなければならない。
【2】味方師団の数次第では、味方の数が多い横位置と少ない横位置が出てくる。多い位置に回す味方は被弾率が上がるため(人数に比例して倍増)、防御強化が必要であるのと、妨害の痛手が少ないキャラにする等の対策が必要。
また、敵が色々な被弾率法則のスキルを使う場合、陣形策定の際には、それらの兼ね合いが必要。
縦3横5の自由配置により、スキルの条件やランダム方法のゲーム性が増した。以下に例をば。
・後衛を狙うためには、「防御が低い敵を狙うスキル」や「後衛ほど多く当たるランダム」が有用となる。
・後衛狙いスキルに対処するためには、陣形の遣り繰りが重要となる。
・縦貫通や横貫通の対策のために、各縦・横位置の均等化が必要になり、それによって前衛・後衛・後方の数の遣り繰りや、それによる陣形策定し直しが有用となった。
敵の何割かは「Vit(生命力)25%以下で〇〇」という条件の強力なスキルを使う。
そのため、中途半端にVit削った敵が同時に多く発生するほど、そのスキルを多く食らいやすくなるため、1匹ずつ確殺したり妨害スキル等の工夫が有用となる。
妨害スキルは、陣形システムやスキル発動条件による遣り繰りの価値を増す。以下の対処例のように。
・妨害されたくないキャラを後方・後衛に置く。
・「Vit25%以下で〇〇」と言うスキルの阻止したいなら、「Vit〇〇%以下」が発動条件のスキルを使うとともに〇〇を25にする。
・上記の派生形で、〇〇を40前後にしつつ、使うスキルを妨害込みのにすれば、敵にダメージを与えて25%以下にした際に妨害もできている。
・スキルの何割かは、特定の条件のキャラを集中狙いする、それが嫌ならば妨害をするか、その条件を回避するように防御力や攻撃力を遣り繰りする。
中衛の遣り繰り。
横貫通スキルへの対抗のために中衛に誰かを置くべき場合が有る。
しかし、被弾率が高まるために、防御増加と妨害対策の必要性が増す。
対策例だが、例えば前半にあげた陣形図では素早いキャラを中衛にしている。
理由は2つあり、1つは早いために、高確率で敵の攻撃を食らう前に攻撃が済んでいるため、被弾率増加による被妨害率増は極めて軽いこと。
もう一つの理由は、どのみちダメージ量に貢献しにくいため、防御を増やしてその分攻撃を減らした場合の痛手が小さい事。
スキル発動条件を豊富にして自動進行モードにすることにより、ユーザーは他の事をやることになるが、それにより、ディスプレイの専有面積が問題になるようになった。
その対処として、ディスプレイのサイズを色々揃えた。
等々。
最後に。
理屈よりも体験版やってみて。