新型コロナウイルスのR0(再生産数)の増減タイミングからの真の原因の推測。

メインの資料:厚生労働省の「「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(令和 2 年 5 月 14 日) 」


■先に要点をば

・仮に自粛に効果が有るのなら、例えば関東一都四県のような共に自粛した地域の再生産数の動きは『その地域の自粛日程』により大きく変化するはずだが、そうでもない。
・仮に不要不急の外出が大きな原因なら、それが行われやすい土日祝に再生産が増えなければならないが、事実は逆。
・再生産数の増減は、例えば3月中盤から終盤に一旦増えて戻るような、政策とは関係の無い動きが主である。
・再生産数の増減は、一般的な善良さの市民の警戒化とは別の時系列を示している。
・発症日が特定できる層と、特定できない層とでは、増減の流れがそこそこ異なる、つまり、彼らの傾向もそこそこ異なる。
・筆者が以前に書いた記事とは矛盾しない、要するに、汗、水回り、近距離、手渡し等の接触(間接含む)が多い作業全般が大きな原因ということだ。


■関東一都四県の例
※この記事全般において、厚生労働省の資料の参照箇所を示す、《厚生労働省の資料5ページ目の下半分の右》 という書き方で。

関東一都四県だけは、各地域ごとのデータにおいて自粛開始日以降2週間分の実効再生産(基本再生産とも言う)が有るため、自粛の影響も含めて語ることが出来る。
図の青線が実効再生産数だ。


●その地域が緊急事態宣言を行った日が4月7日のため、仮に自粛の影響があるとすれば、その前後数日のうちに大きな減少があるはずだが、無い。
それどことか一旦増えたりしている。
つまり自粛は意味無い。
※小池知事のやっていることは、真の原因を掴む能力以前に努力すらせず、そういう自分の不始末を他人(都民)の努力不足のせいにしているということだ。

●上の図の左右のように、発症日を特定できる人達と、そうでない人達を含めたものとでは、そこそこ違いが出ている。
言い換えれば、発症日を特定出来る層と、特定できない層とでは、そこそこ傾向が異なる。

大きく減少する時期は自粛より前に発生している(左図は3月末、右図だけでの減少が4月2日頃から)、
その時期の何が絡んだのか分かれば、感染防止の大きなヒントになるのだが・・・・・

●大きく減少する時期は、一般的な善良さの市民の警戒化よりも遅い。
マスコミによるダイヤモンドプリンセス号報道やコロナ人工説等での煽りや、
政府によるイベント中止要請等の実効策を伴っての煽りは、2月末までには十分盛んにになっている。

●自粛という条件が維持されている状況においても、自粛とは関係なく増えたり減ったりしている。


■全国の再生産数からの考察。

仮に不要不急の外出が原因であるのなら、それが行われやすい土日祝の再生産数が多くなければならないが、事実は逆であった。
それと、政府の意図的な対策が効果が有るのなら、、中期的な増減は【その意図】に沿うはずだが、事実は別の流れを示した。

厚生労働省の資料4ページ目後半》の図から、土日祝が分かりやすいように赤線を添えて拡大しておいた。



●どの曜日が再生産されやすいかについて。
※これにおいては、日付を特定できない分(下の図)は、日付があいまいな都合上、当てにならないので、上の図(日付特定分)から言う。
見ての通り、再生産数の変動の突出は土日祝ではなく平日。
そして、そういう突出も段々と小さくなる。
仮に不要不急の外出が原因のなら、それが行われやすい土日が多くなるはず、しかし、事実は逆である。

●政府が警戒を煽ったタイミングと連動しない。
この件においては、週単位での大きなが流れで語る(曜日による変動のような細かさで見ない)
政府が世論に追われてイベント中止要請などで煽ってきたのは2月半ばから後半頃からだが、その後に増えている。
そして、自粛などと関係ない時期で減る。
※尚、3月末ころからは年度末という要素が絡むからもしれない。

●日付不明者の分で大きな差が出る箇所
3月18日(Mar 18)からの2週間を見てみよう。最も大きな差がある。
日付確定の方は3月26日ころまで突出が続くが、不明者はもっと早く落ち始める。
言い換えれば、【年度末まで少しだけ余裕が有る日付】では行われやすいが【年度末のすぐ近く】になると行われにくい何かが絡んでいる。

もう一つ有り、連休前に落ち始めるのも日付不明者は一足早い。これも上記と同様に、一足早く落ち込む要因とは何か?ということ。


■筆者が以前に書いた記事とは矛盾はしない

筆者は以前の記事にて、典型例としては土建風俗農協立ち飲み屋を挙げたものの、
『汗、水回り、近距離、手渡し、が多い作業全般とか(農協や自民に献金している企業も含む)』とも書いておいた。
母数としては、こちらの方が圧倒的に多数だ。(勿論、土建と農協もこれに含まれるが)
※立飲み屋も、平日に活動量が多いため、関連と見なせる。

正しいと言い切れるかどうかは、確定させるための資料がロクに無い都合上、言いにくい。(データが無いので白も黒も言えない)

●前述の全国の再生産数が示した通り、週毎の突出は土日祝ではなく平日だ、つまり筆者が挙げたもの(主に仕事で、勿論平日メイン)と合致する。

●長期的な流れにおいては、3月末は、年度末の忙しさと、服装を切り替えないまま暖かくなるのが重なり、
衛生への配慮が損なわれやすいと共に、(服が厚めのままのため)汗という経路も増えやすい。

●自民の言うことを聞きにくいい企業と言えども、遅ればせに漸次的な対策をするため、平日の突起もその流れに応じて小さくなっていくと推測可能。 


■多段突出の真相を探れ。

東京以外のデータ《厚生労働省の資料5〜6ページ目》では、全国での再生産数とは異なる突出が多段に出てくる。
他地域の母数が中途半端な大きさのため、小さい確率での再生産超増大(大規模クラスターや多段クラスター)によって突出が明確に出るのは当然だ。
それは、違う見方をすれば、その時期のその人達を徹底的に調べて原因を詳しく判明すれば、超増大の事例研究になるともいえる。
しかしながら、安倍政権は漠然と広範囲に対策させるだけなので、判明以前に調査すらない。


あとがき 自粛不要論者は考える意欲が足りない奴ばかりだ。

この記事を書こうと思ったきっかけは、自粛不要論者達は揃いも揃って自粛の効果の無さを示したことで満足し、その先を考えないため、役に立たないから、俺が書こうと思ったこと。
たしかに自粛不要なのは正しいね、で、原因を考えようとしたの?
それを考えない程度なら、ある点では自粛肯定派と同レベルだ、自分が望む結論を見つけたら考えるのを終わらせる程度の「考える意欲の無さ」という点では同レベルだ。


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