2ちゃんねるを恐いものにしているのは誰か?


今の人では分かりにくい内容のため、改訂版を書くことにした。


■「釣られる人達」こそが恐い。

何についての話かと言うと、ネットコミュニティ上の誹謗中傷と、それから派生する出来事のことでです。
これを担っている人は二つに分けれます。
一つは、「誹謗中傷する人達」です。
もう一つは、「誹謗中傷に釣られる人達」です。
ネット上の誹謗中傷においては、たしかに前者が原因ですが、どちらの方が恐いかと言えば後者です。

まず、「誹謗中傷されている相手」に実害を為し得るのはどちらかと言えば後者です。
前者は、自分自身ではネット上(オフ会の場合はオフ会に関わる人)の域を越えてリアル社会に影響を及ぼせないのです。
一人で「誹謗中傷する相手や、その知人」に突撃したりする根性や実務力が無いですし、法律上の問題が有るので大きなリスクを負うことになります。
むしろ、一人か少数で行うと言うことは、その痛々しさから、場合によっては「祭り」にされるのが自分の方になる危険を伴います。
そんなわけで、前者は、多数の後者を手に入れられないことには、大したこと出来ない存在です。

また、前者は、その活動意欲が後者に依存しています。
2ちゃんねるにおいては「荒らしは放置。荒らしへの反応は荒らしにとって滋養だ」と言われますが、それと同じ理屈です。
誹謗中傷をする人達は、後者が居なければ空回りばかりです。
むしろ、見抜かれるリスクだけが残るので損です。
それに比べて、後者は、活動意欲を誰かに依存することは無く、自分自身で出せます。
「情報を見抜く目の拙さ」さえ有れば十分で、自分達で面白そうな情報(真偽はともかくとして)を見つけて騒ぎ立てたりするわけです。

■情報に対して「非反応」する能力

(まずは基礎知識です)

2ちゃんねると関わる際には、ある種の能力が身に付いている必要が有ります。
真偽が定かでない情報に対しては「非反応」する能力です。
「非反応」とは、「書かれている・言われている」という事実に対し、その事実しか考えず、それ以外の事には非反応であることです。
詳しく言うと2つに分かれます。
@「書かれている・言われている」という事実だけ考え、その内容の真実性を考えないこと。
例:「○○がヤリマンと書かれているのは、少しは本当かもしれない」とは考えない。
A「書かれている・言われている」という事実だけ考え、「他の事情の存在」を考えないこと。
例:「○○がヤリマンと書かれているのは、痴情のもつれ等の事情が絡んでいるからかもしれない」とは考えない。

「非反応」が良く定着している例としては「○○(芸能人)は整形している」とでしょうか。
まず@、芸能人に関してはアンチが誹謗中傷している可能性の高さは容易に推測できるので、「その情報の真実性」には殆どの人が非反応です。
次にA、「○○には常に多数のアンチがいて、別に大事件を影で起こしていなくても、常に誰かが誹謗中傷している」は容易に推測出来るので、殆どの人が「別の事情の存在」には非反応です。
上記の例に限らず、2ちゃんで書かれていること、2ちゃんねらが言っていることは、「非反応」が基本です。
上記の例と似たような状況が多々混じっていますので。
特に、悪意情報は、ほぼ全て「非反応」すべきものばかりです。

それと、「誹謗中傷する人」の技術は、長年やっているだけに熟練しています。
そのため、彼らに釣られないように「非反応」が身に付いている必要が有ります。
しかしながら、最近は、「非反応」が身に付いていない人達が急激に多くなりました。
どんな人たちかって言うと、主に、電車男や「泣ける2ちゃんねる」等による「良い2ちゃんねる像」に釣られて2ちゃんねるに来た平和ボケ野郎どもです。
平和ボケ野郎どもは、「誹謗中傷する人達は熟練していると言う現実」を踏まえて警戒することは無く、その分誹謗中傷に釣られやすいです。

■「恐いと言う人」こそが恐い。

一部の人は、ネット上の誹謗中傷が恐いとしきりに言います。
特に、最近の人。
「ネット上の誹謗中傷が恐いと言う」のは、自分が誹謗中傷された際に皆が「非反応」してくれないと言う意味でもあります。
で、何故彼らが「皆は非反応しないと考えるのか?」と言えば、己自身が「非反応」出来ないからです。
己自身が「非反応」出来ないながらも、ネットコミュニティに蔓延する悪意情報には敏感なので見ますし、その悪意情報を「非反応」しきれずに一部「反応」してしまいます。
(比較的頭が悪い人の場合、一部どころか多くに反応してしまいます)
こういう状況である彼らこそが恐いのです。
つまり、「ネットの誹謗中傷が恐いと言う」のは、「それを言っている本人自体も恐いということ」の裏返しです。
昔からネットコミュニティに関わっている自分からすると、「恐いと言っている人達の方が恐い」と思えてきます。

逆を言えば、ネットコミュニティ上の誹謗中傷を恐いと思わずに一蹴している人達は、あまり恐くないです。
彼らが恐いと思わないのは、彼ら自身は「非反応」出来ることの裏返しです。

■釣られる人の多さで発生しやすさが変わる。

例として名古屋オフ板における誹謗中傷事情の変化を書いておきます。

昔は、オフ板内で誹謗中傷が出ても実効性を伴うことは稀でした。
それ以前に、誹謗中傷の頻度・甚だしさが低かったです。
それに対し、今は誹謗中傷は実効性・頻度・甚だしさは顕著になりました。

その原因ですが、「誹謗中傷する人」には原因は少ししか在りません。
その理由は、「誹謗中傷する人の実情」が昔も今も大して変わってないからです。
昔から、性格の歪み具合・妬み・巧妙さが酷いのが居て、酷さは大して変わってないのです。
また、「私情や偏狭さが強い派閥」は特定のオフ・人脈内にて皆で意見を揃えて情報操作するので信憑性が高まりますが、その辺の事情も大して変わってないのです。
まぁ、「そういう人達の数」は今より随分少ないのですが、頭数が少ないなりに誹謗中傷が発生するわけでもなく、極めて少なかったです。それに、実効性を持つことは無い同然でした。

じゃあ、原因は何処に在るかと言えば、主にオフ板住民全般の「非反応」する能力の低下です。
そもそも、オフ板住民が皆「非反応」していれば、誹謗中傷をしても実効性を伴いません。
スレに書こうがオフ現場で言おうが、事実として認められるのは「書かれている・言われている」だけで他は「非反応」されてしまうからです。
で、「非反応」されてしまう場合、リスクばかりが残ります。
「言った自分の方が疑惑を持たれるリスク」や「誹謗中傷した相手にバレるリスク」です。
そのような状態では、いくら「誹謗中傷するような人」と言えども、おいそれと誹謗中傷出来ません。
つまり、「誹謗中傷するような人」が居ても、皆に「非反応」する能力が備わっていれば発生しにくいと言うわけです。

しかしながら、最近は「誹謗中傷に釣られる人」が多くなりました。
主に、電車男や「泣ける2ちゃんねる」による「良い2ちゃんねる像」に釣られて2ちゃんねるに来た平和ボケ野郎どもです。
彼らは「非反応」する能力が昔の人に比べて格段に低いです。
だって、彼らは今まで2ちゃんねるで遣り取りをしてきたわけではないので、「非反応」する能力が育っていないからです。
それ以前に「嘘を嘘と見抜く能力」にも書けています。これも育っていないからです。
で、育ったいない分相応に釣られやすいです。
そもそも、彼らはネットコミュニティの汚い部分に対処する心構えと能力に欠けているのです。
だって、彼らは、「良い2ちゃんねる像」を期待してオフ板の来たのであって、ネットコミュニティの現実を踏まえていませんので。
で、そういう人達が増えれば「誹謗中傷をする人」は相応に活発化します。
だって、今までは通用しないから控えていたけど、通用するようになったわけですから。
で、その誹謗中傷により悪いイメージを持たれてしまう住民も出てくるわけです。

■釣られる人のモラル。

一概に誹謗中傷に釣られるにしても、個々の人のマナー次第では「誹謗中傷される相手」への実害は大きな差が出ます。
ネットコミュニティユーザーのモラルがしっかりしていれば、「非反応」する能力がイマイチでも、あまり恐くないのです。

まず、モラルに関して二つのカテゴリを例に説明します。
NetWatch板」と「ニュース速報」です。
※現在はVIP板が「祭り」の本拠地ですが、その板は「ニュース速報板住民のの雑談用板」という意義なだけに、ニュース速報と称します。

・まずNetWatch板です。
「ウォッチ先 さわらず荒らさず まったりと」という注意事項の他、様々な細則が設けられています。
趣味が悪いながらも、「相手に実害を与えるか」に関してのモラルだけは最低限確立しています。
その辺の関しての住民の自治意識は高く、違反する人は住民に叩かれます。
・次にニュース速報です。
本拠地のVIP板の注意事項ですが、「サーバの健康を損なうおそれがありますので 祭りすぎに注意しましょう」という文章だです。
裏を返せば、「祭りを」認めていると共に、あまりモラルを気にしていないです。
自治意識も薄く、暴走する人を管理する気概は薄いです。
さらに、一部の住民は、VIP板にて自己顕示欲等を吐き出したいらしく、しかも思慮が浅く、情報判断を間違えたまま突っ走りかねません。

NetWatch板住民の場合、モラルが確立しているだけに、仮に誹謗中傷に釣られても、実害には至りにくいです。
彼らは最低限のモラルが確立していて「ネタにされている相手」や「その相手と関係の有る人」に無闇に絡みませんし、「ネット上の言動によりリアルに影響を及させること」はモラルに反するとして自粛しがちだからです。
それに比べて、ニュース速報系は相手に実害を与えやすいです。
「祭り」をしますし「相手のサイト」や「相手に関連するサイト」に突撃して面白おかしく騒ぎ立てるのが大好きです。
電話番号や勤め先が分かれば「そこ」に絡みに行く人が出ますが、住民の自治意識やモラルが低いために対処されないです。
そもそも、「ネットとリアルの区別」という堅いことは考えないのです。
また、「社会経験や思慮深さが極めて低い人」も多いので、重大な過失をして「やってはいけないこと」を後から気付くことも十分に有り得ます。

■もうすぐ、2ちゃんねる的な恐ろしさが一気に増えるであろう。

さてさて、最近は電車男などにより、一部のネットユーザーだけでなく一般大衆全般に2ちゃんが普及してきました。
しかし、この一般大衆こそが、最も恐い存在なのです。

その理由の1つは、情報を見抜く能力が低過ぎることです。
あくまで大衆の一部ですが、「某みのもんた司会の食品関係番組」を丸々と鵜呑みにし、昼のワイドショーの見解を鵜呑みにし、いわゆる「やらせ番組」を見抜けないという、あまりにも馬鹿過ぎな人達が多く含まれています。
まぁ、ここまで重度に馬鹿なのを除いて判断しても、大衆と言うものはネットコミュニティを使うには「情報を見抜く能力」が足りなさ過ぎます。
だって、社会に溢れる様々なニュースに関して、様々な主張を見比べたりしませんから。
例えば、朝日新聞が「左派」で産経新聞が「右派」であっても、それぞれの読者は一つの新聞の意見を鵜呑みにします。
最低限、このような現状では、「非反応」するには程遠いです。
むしろ、「過剰反応」を危惧すべきです。
だって、ネットコミュニティ上の情報に対する反応が、「某みのもんた司会の食品関係番組」や新聞の情報に対する反応と同じように行われる可能性が想定されますので。

二つ目の理由はマナーの低さです。
大衆は、前述した「NetWatch板」と「ニュース速報」のどちらかと言えば後者です。
一部の大衆は、思いっきり後者です。
そもそも、大衆には「ネット上のマナー」とか「ネットのリアルとの区別」とかいう概念が無いです。
ネットコミュニティ経験に乏しいのですから。
そんなわけで、みのもんたが煽れば「その食品」を食いまくるような行動パターンや、ワイドショー様々な人や企業をスクープすれば「その情報」を騒ぎ立てるような行動パターンが、「ネット上の誹謗中傷を元にした行動」にも行われやすいででしょう。
そのくせ、嘘を嘘と見抜くことになれていないので、尚更です。
そんなわけで、こんな馬鹿どもにネットコミュニティが普及したら、「2ちゃんねる的な恐ろしさ」は一気に増えます。
数倍じゃなく、一桁は増えるでしょう

■これを書いた動機

これを書いた動機ですが、政府・民間団体に進言するためです。
(政府主催の知的財産戦略本部コンテンツ専門調査会は11月15日締め切りですし)
政府は最近ネットの大衆化に手を出しているようです。
勿論、ネットコミュニティも含まれるわけですが。
で、今までネットコミュニティを見てきた俺からすると、今の状況では重大な過失をしかねないと思うので、進言するわけです。
何を進言するかと言うと、以下の3つです。

○ネットコミュニティの大衆化は抑制すべきだ
上記に書いたとおり、一部の一般大衆はとても危険な存在ですから。
大衆化したいのなら、誹謗中傷に対する対処手段を用意してから行うべきです。

○企業が運営するサイトに対する対応は慎重に。
ある面では2ちゃんねるはマシです。
「嘘を嘘と見抜けない人は(以下略」と言っていますので。
で、企業が運営するサイトでは「嘘を嘘と見抜けない人は(以下略」を言う必要が無いかと言えば、そうでもないです。
企業が運営しているサイトも、敷居を低くしている限り「誹謗中傷する人達」はしっかりと居着くわけですから。
しかしながら、企業が運営するサイトは、良いイメージを繕うために、そんなことは言いません。
勿論、「非反応」する能力を促すことはしません。
「非反応」する能力を促すということは「自分のサイトには誹謗中傷が存在していること」を認めるわけでうから。
企業の活動方針次第では、「誹謗中傷による事件」に対しては、住民に「非反応」を促すどころか、誹謗中傷である事実を揉み消す方向に向かうかもしれませんので、慎重に対応すべきだと思います。

○無闇にネットコミュニティのイメージを綺麗にしないように
前述したように、ネットコミュニティのイメージを綺麗にすると、相応に平和ボケ野郎どもが来ます。
彼らは「非反応」する能力に乏しいので、その分誹謗中傷が蔓延りやすくなります。
ネットコミュニティというものは、昔と同じように、情報を疑う姿勢を持ちつつ活動する場所であるべきです。

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